七夕の国(3) (ビッグコミックス)

七夕の国(3) (ビッグコミックス)のカバー画像 発売日: 2015年3月13日 著者: 岩明均 出版社: 小学館

Amazonで見る

内容紹介

行方をくらました「頼之(よりゆき)」。彼が姿を消すと同時に、日本中で説明不能の怪事件が続発する。人、船、セスナ、そして巨大な屋敷――。あらゆるものが、まるで最初から存在しなかったかのように「丸く」消え去っていく。

能力のインフレが恐怖に直結する絶望感

ナン丸が手品レベルで使っていた「窓」の能力が、圧倒的な力を持つ者が振るえば「一瞬でビルを消し去る凶器」へと変貌する。物理的な破壊と、丸神ゼミが追う「七夕の里」の歴史的な謎が合流し、パズルのピースが恐ろしい形を成していきます。


これまで「少し変わった超能力もの」だと思って読んでいた読者の足元が、一気に崩されるような巻です。

まず圧倒されるのは、物理的な「消失」の描き方です。頼之の手によって、政治家が屋敷ごと丸く削り取られるシーン。そこに派手なエフェクトや誇張された悲鳴はありません。ただ、物理法則を無視して、そこにあったはずのものが「無」に帰す。岩明先生の描くこの「静かな破壊」は、どんな爆発シーンよりも、私たちの存在そのものの不確かさを突きつけてきます。

そして物語は、ナン丸たちのルーツである「丸神の里」の謎へと深く潜っていきます。七夕という、日本人にとって馴染み深い行事の裏側に、これほどまでに禍々しく、かつ壮大な「真実」が隠されているという構成は実に見事です。教授が追い求めていたものが、単なる歴史の断片ではなく、現在進行形の「脅威」へと繋がっていくゾクゾク感。

「頼之は何のために消しているのか?」「窓の向こうには何があるのか?」。一つ謎が解けるたびに、さらに巨大な暗闇が口を開けて待っている。ナン丸という「普通すぎる若者」が、この人知を超えた事態にどう立ち向かうのか。もはや「面白い」を通り越して、「畏怖」を感じずにはいられない展開です。

Amazonで見る

タグ

シリーズ