アルスラーン戦記(19) (週刊少年マガジンコミックス)

アルスラーン戦記(19) (週刊少年マガジンコミックス)のカバー画像 発売日: 2023年6月8日 著者: 田中芳樹荒川弘 出版社: 講談社

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内容紹介

因縁の地、アトロパテネ。九か月の時を経て、逆襲の幕が上がる

かつてパルス軍が歴史的大敗を喫し、アルスラーンの流浪が始まったアトロパテネ平原。時を経て、少年は「王の器」を備えた主君として再びその地に立ちます。

一方、王都エクバターナではヒルメスが地下水路から攻め入り、ついに悲願の奪還を果たします。自らの焼けただれた素顔を晒し、正統な王位を主張するヒルメス。しかし、ギスカールが残していったのは、水も食料も宝もない「空っぽの都」という残酷な罠でした。

「ごはんが勝つんだね」——。民の飢えを見抜き、あえて王都を追わずギスカール軍を狙うナルサスの合理性。そして、かつての禍根を水に流し、真の戦友となった男たち。運命の第2次アトロパテネ会戦がついに開戦します。

ザラーヴァントの株が上がりまくり

かつてジャスワントを「黒犬」と蔑んでいたザラーヴァントが、自らの非を認め、真っ直ぐに謝罪するシーン。ペコちゃんのようなお茶目な表情で冷や汗を流すギャップも、彼の人間的な魅力が爆発しています。これに呼応するジャスワントのセリフも相まって、アルスラーン陣営の「風通しの良さ」が際立ちます。

ヒルメスの悲願と、サームの冷静な眼差し

民衆の「ヒルメス王子ばんざい!」の声に対し、「それは単なるルシタニアへの憎悪の裏返しだ」と断じるサーム。この「人気の本質を見抜く手練の視点が、物語に重厚なリアリティを与えています。

ナルサスの「胃袋を掴む」という本質

「水と食料を持って救えば、王都は落ちる」というナルサスの判断。アルフリードの言う通り、結局は「ご飯」が勝つという身も蓋もない真理が、パルス奪還の鍵となる皮肉。しかしこれは間違いなく真理ですね。

第2次アトロパテネ会戦の「お返し」

かつて自分たちがやられた「流言」をギスカール軍にぶつける爽快感! モンフェラート将軍の潔い最期を含め、ルシタニア側の「終わりの始まり」が色濃く描かれます。


第19巻で最も胸を打つのは、やはりザラーヴァントとジャスワントの和解シーンでした。 血統や出自にこだわるヒルメスや、力でねじ伏せるアンドラゴラスに対し、アルスラーンは「相手の価値を認め、対等に接する」ことで、最強の結束を作り上げました。かつては敵同士、あるいは蔑み合っていた者たちが、お互いを見習おうとする姿は、この殺伐とした戦記物における最大の希望です。

そして、ついに現れたボダン軍。もはや宗教的な熱狂すら超えて「何かに取り憑かれた」ような不気味さを纏っています。 ギスカールを追い詰め、王都のヒルメスは干上がり、あとは勝利を掴むだけ……という完璧な流れの中で、この狂信者たちがどう盤面をかき乱すのか。 ダリューンの無双っぷりにスカッとしつつも、背後に忍び寄る「蛇」と「狂気」に、一瞬たりとも目が離せません。

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