蜜の島(4) (モーニングコミックス)

蜜の島(4) (モーニングコミックス)のカバー画像 発売日: 2015年3月23日 著者: 小池ノクト 出版社: 講談社

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内容紹介

神話の終焉、文明の夜明け。語られぬ島の運命

島を揺るがす連続首切り殺人事件。混乱の最中、追い打ちをかけるように火山の活動が激化します。島民を救おうと避難を呼びかける瀬里沢と南雲でしたが、変化を拒む島民たちは二人を「災いの元凶」として排除しようと牙を剥きます。

噴火の轟音と共に、瀬里沢が辿り着いたこの島の「死」の定義、そして少女・ミツの血筋に秘められた役割。なぜ彼らは自分を指す言葉(人称代名詞)を持たないのか? その理由は、数千年の時を超え、遠くギリシャの古典『イーリアス』の時代まで遡る、人類の壮大な記憶に繋がっていました。

人称代名詞のない世界の正体

「私」や「俺」と言わない島民たち。それは単なる方言ではなく、彼らが「個人の意識」を持っていない、あるいは共有していることの証でした。瀬里沢の推理によって解き明かされるこの「意識の構造」は、読者の知覚を揺さぶるほど鮮烈です。

イーリアスとの符合と、文明の断絶

日本の離島の物語が、なぜギリシャの英雄叙事詩と繋がるのか。神の声を聴き、神のままに動いていた「かつての人類」の姿がこの島には残っていた――。その圧倒的なスケールの謎解きは、ミステリーとして最高級の納得感を与えてくれます。


なるほど、そういうことだったのか。 読み終えた瞬間、この不気味で悍ましかった島が、ひどく美しく、そして切ない場所に思えてなりませんでした。 瀬里沢が解き明かした「死の定義」を知れば、これまでの島民たちの不可解な行動がすべて一本の線で繋がります。彼らにとって死は「消滅」ではありませんでした。

「私」という意識を持つ現代の私たちと、そうでない島民たち。 文明の波に呑まれまいと、島と共に生きる彼らの姿は、失われた神話の時代の終焉を見届けるような、なんとも言えない寂寥感と深い納得感を与えてくれました。

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