陰陽師 2 (ジェッツコミックス)
内容紹介
1巻で提示された「平安の闇」が、2巻ではより「人の心の機微」と「霊的な美しさ」を伴って描かれます。
「呪(しゅ)」のロジックが冴える短編群:
「ものいふ髑髏」や「真葛ヶ原の女」など、情緒溢れるエピソードが収録されています。単に妖怪を退治するのではなく、その怪異の裏にある「執着」や「因縁」を、晴明が言葉巧みに紐解いていく構成が見事です。
博雅の「純粋さ」がもたらす救い:
晴明が理(ことわり)で動くのに対し、博雅は情で動きます。2巻では博雅の奏でる音楽が、迷える霊や鬼の心を動かすシーンが印象的に描かれ、二人の役割分担が黄金比の域に達しています。
岡野玲子流・平安様式美の極致:
装束の重なり、御簾越しに差す光、庭の草木に宿る露……。これらを極めて細い線と独特の空間構成で描く作画は、もはや芸術品の域です。特にデジタル版でも映える、緻密な文様や筆致は必見です。
晴明の邸(やしき)という聖域:
生い茂る草花に囲まれ、人ならざる式神たちが甲斐甲斐しく働く晴明の邸。そこでの酒宴シーンは、読者にとっても日常を忘れさせる癒やしの空間であり、物語の重要な憩いの場となっています。
「生成(なまなり)」の予感:
後の長編へと繋がる、人間の情念が鬼へと変貌していく過程の不気味さと物悲しさが、随所に散りばめられています。
2巻を読み終える頃には、晴明が口にする「ゆこう」という言葉が、異界への入り口を告げる心地よい合図のように感じられるはずです。