蜜の島(1) (モーニングコミックス)

蜜の島(1) (モーニングコミックス)のカバー画像 発売日: 2013年8月23日 著者: 小池ノクト 出版社: 講談社

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内容紹介

小池ノクト先生が描く、美しくも悍ましい閉鎖島ミステリー『蜜の島』。 戦後間もない日本を舞台に、因習、狂気、そして「不死」の影が絡み合う物語。


「楽園」という名の不気味な閉鎖空間

舞台は瀬戸内海に浮かぶ、戦火を免れた美しい島「石津島」。食糧難の時代にありながら、豊かすぎる恵みを享受するこの島は、まさに楽園のように見えます。しかし、その美しさが逆に「何かが決定的に狂っている」という不安を増幅させる、小池先生特有の演出が冴え渡っています。

「不死」の伝承と生理的な恐怖

島に伝わる、死なない人間「不老児」の噂。小池ノクト先生の真骨頂である、細密な書き込みと影の深いタッチが、その異形のものたちを「神聖でありながら生理的に受け付けない存在」として鮮烈に描き出しています。

戦後日本の暗部を突くミステリー

単なる怪談ではなく、戦後の混乱、軍の影、そして家系図に隠された秘密など、重厚なミステリー要素が物語の軸となっています。失踪した恩師を探しに来た主人公が、島の「蜜」に絡め取られていく過程が非常にスリリングです。

静寂を切り裂く暴力のコントラスト

波の音や虫の声が聞こえてきそうな静かな描写から、突如として噴出する暴力と混沌。この緩急の差が、読者の緊張感を極限まで高めます。


「美しいものには棘がある」という言葉では生ぬるいほどの、ドロリとした執念を感じる作品です。ページをめくるたびに、島の濃厚な空気や花の香りが漂ってくるような錯覚に陥りますが、そのすぐ裏には死と腐敗の臭いが張り付いています。 「信仰」というフィルターを通すことで、その怖さがより一層、精神的な深みにまで到達していると感じました。

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