蜜の島(3) (モーニングコミックス)

蜜の島(3) (モーニングコミックス)のカバー画像 発売日: 2014年8月22日 著者: 小池ノクト 出版社: 講談社

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内容紹介

日本神話の「忘れ形見」。語ることを禁じられた島

南雲は島の豪傑・アンジと海へ出、マグロ漁を通じて彼と師弟の絆を結びます。排他的だった島民とも宴を囲み、ようやく平穏が訪れたかに見えたその夜、凄惨な惨劇が幕を開けました。

山上の神社へ向かった南雲は、宮司から驚くべきことを告げられます。この島の名「石津(いわづ)」は当て字に過ぎず、真の名は「言わず島」。 古事記の冒頭に記された日本最初の島・オノゴロ島であり、歴史から消された場所であると。

「言わず島」に隠された日本神話の闇

実在の地図から消され、語ることさえ禁じられた「オノゴロ島」という設定。イザナギとイザナミの国産み神話と、現在の凄惨な事件がリンクしていくミステリアスな展開は、歴史・伝奇好きにはたまらない魅力です。

瀬里沢が辿り着いた「死のない島」の仮説

医師である瀬里沢が、宮司の記録から導き出した「この島には死そのものが存在しない」という着想。2巻で火葬を忌み嫌った島民たちの反応と、この言葉がどう繋がるのか。読者の知的好奇心を激しく揺さぶります。

宴の「生」から、殺人の「死」への急転直下

アンジと絆を深め、島民と酒を酌み交わす「温かい日常」が描かれた直後に訪れる惨劇。その落差が、犯人の異常性と、逃げ場のない島の閉塞感をより際立たせています。


南雲がアンジの弟子になり、ようやく島民と打ち解けたと思った瞬間のあの事件。 展開の非情さに言葉を失いました。 また、「言わず島」という設定の導入が見事です。「語られぬことによって無いものとされた」という言葉には、歴史から取り残された島の孤独と、神代の時代から受け継いできた独自の風習に説得力を与えています。

「死が存在しない」からこそ、死を「物理的に消去(火葬)」することが禁じられているにもかかわらず、殺人が行われている矛盾。 犯人は外部の人間か、それとも共同体の掟を守る「何か」なのか。 パズルのピースが揃いそうで揃わず、更なる深淵が見えてくるような物語の進行が素晴らしいです。

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