菌と鉄(5) (週刊少年マガジンコミックス)
内容紹介
管理された「生」と、剥き出しの「心」
さらなる仲間「アザ持ち」を求め、一行は未知の地・旧アフリカ大陸へ。そこで待ち受けていたのは、猛烈な胞子と毒の嵐、そしてアミガサの刺客たち。 徹底した管理社会で育った者と、そうでない者の価値観の対比が、物語に深みを与えています。 さらに、新キャラクター「リサ」の予想外すぎる能力が、絶望的な戦場に新たな風を吹き込みます。
印象的だったのは、移動中の何気ない会話シーンです。 ダンテたちが自分の出生を「効率的な製造工程」のように語る場面。 読者と同じ視点を持つクヴァルが絶句する一方で、当の本人たちがきょとんとしている。 この温度差こそが、アミガサという組織が人類から何を奪ったのかを雄弁に物語っています。 「心があることに耐えられない」という言葉が、これほど重く響く展開はありません。
戦闘面では、密林という地の利を活かしたアミガサの猛攻にハラハラさせられましたが、ダンテの観察眼と適応能力には改めて驚かされました。敵の能力を封じるために環境を利用し、容赦なく頭部を粉砕する冷徹な強さ。その一方で、倒した兵士と対話を試みるような一面もあります。この両面がダンテの魅力でもあるのかなと思いました。 このときの兵士との会話は、何やら後で意味を持つような感じで描かれていますが、一体どんな会話だったのでしょうか。続きが楽しみです。
そして新登場のリサ。「能がない」と思わせておいてからの、あの食欲と能力のギャップには思わず吹き出しました。 緊迫したナイトメア戦ですら独自のペースを崩さない彼女の存在は、管理社会に対する最大級の「イレギュラー(反逆)」のようにも見えます。 謎の兵士との会話、そして新たなる敵(?)の影。物語の歯車が大きく動き出そうとしているのかもしれません。