アルスラーン戦記(9) (週刊少年マガジンコミックス)
内容紹介
恩を仇で返す王子と、恩を一生で返す戦士
シンドゥラの王位継承戦を終わらせたアルスラーン一行。しかし、新王ラジェンドラは「最強の援軍(パルス軍)」をタダで帰すのが惜しくなり、あろうことか背後から襲いかかるという恩知らずの極致な一計を案じます。もちろん、そんな小細工がナルサスに通じるはずもなく、ラジェンドラはあえなく返り討ち、ふたたび囚われてしまいました。
3年間の不可侵条約を結び、ようやくパルスへ戻る一行。そこには、命を救われた恩を返すべく「お供させてください」と膝を突く真面目すぎる男・ジャスワントの姿がありました。
一方、占領下の王都エクバターナでは、狂信者ボダンのインフラ破壊によりギスカールが胃を痛め、地下牢のアンドラゴラス王は不気味な沈黙を破り始めます。
ラジェンドラ、通常運転の「縛られ王子」へ
「昨日の友は今日の……カモ!」と言わんばかりの裏切りを見せたラジェンドラ。ナルサスに「はい、想定内です」と縛り上げられる様は、もはや様式美。彼のおかげで、パルス軍の結束がより固まった気がします。
ジャスワントの「忠義」が眩しい
クズな兄王子に仕えていた反動か、アルスラーンの慈悲に心底惚れ込んだジャスワント。ダリューンとはまた違う「寡黙な守護者」としてのポジションが確定し、一行のバランスが最高になりました!
ギスカール、中間管理職の限界突破
上には狂信者ボダン、下には脱走兵、隣には野心家のヒルメス。ルシタニア陣営を一人で回しているギスカールの苦労が忍びない……。彼が倒れるのが先か、パルスが奪還されるのが先か、ある意味見ものです。
ナルサスがキシュワードに投げかけた「国王と王太子、どっちに付く?」という質問。これ、読んでいるこちらも気になりますよね。 今は「パルス奪還」という共通の目的があるけれど、もし親父さん(アンドラゴラス)が解放されたら……。「正論と知略のアルスラーン」vs「恐怖と武力の父王」。 真面目なキシュワードが「とりあえず今は考えないようにしよう」と逃げたくなる気持ち、痛いほど分かります。
そして、ヒルメス陣営に加わったクバートの「絶対こいつらと合わないだろ」という空気感。ヒルメスのカリスマ性が、パルスの猛将たちを束ねきれるのか。それともアルスラーンの「人たらし」が勝つのか。
物語のスケールがどんどん広がり、地響きと共に「何かが来る」予感にワクワクが止まらない第9巻でした。