平和の国の島崎へ(1) (モーニングコミックス)

平和の国の島崎へ(1) (モーニングコミックス)のカバー画像 発売日: 2022年12月22日 著者: 濱田轟天瀬下猛 出版社: 講談社

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内容紹介

濱田轟天先生(原作)と瀬下猛先生(漫画)による『平和の国の島崎へ』第1巻は、「かつて少年兵だった男が、平和すぎる日本で日常を取り戻そうとする」姿を描いた、静謐ながらも凄まじい緊迫感を孕んだヒューマンドラマです。


  • 「元戦闘工作員」のあまりに不器用な日常: 幼い頃に国際テロ組織に拉致され、戦闘マシーンとして育てられた主人公・島崎真悟。30年ぶりに日本へ帰国した彼が直面するのは、銃の代わりにペンを持ち、戦場の代わりにカフェやバイト先で過ごす「平和な日常」です。彼のあまりの世間知らずさと、時折見せる軍人としての「過剰な適応能力」のギャップが、シュールな笑いと切なさを誘います。

  • 「平和」という名の違和感: 我々が当たり前だと思っている日本の日常。しかし島崎の目を通すと、その平和がいかに脆く、そしてある種の「無防備さ」の上に成り立っているかが浮き彫りになります。彼が普通の暮らしに馴染もうとすればするほど、その背後に潜む「戦場の影」が際立つ構成が見事です。

  • 圧倒的な「静」のアクション描写: 派手な戦闘がメインの作品ではありません。しかし、島崎が不審者の気配を察知した瞬間や、日常の動作の中にふと現れる「殺しの技術」の描写には、息が止まるような緊張感があります。瀬下猛先生の写実的で落ち着いた筆致が、そのリアリティをより一層高めています。

  • 見守りたくなる周囲の人間模様: 島崎を温かく(あるいは困惑しながら)迎え入れる幼馴染や、バイト先の人々。彼らとの交流を通じて、少しずつ「人間らしい感情」を再獲得していく島崎の姿は、さながらリハビリテーションのようであり、読者の胸を打ちます。

  • 静かに忍び寄る「過去」の足音: 島崎が望むのはただの「平和」ですが、組織が彼を放っておくはずもありません。日常のすぐ裏側に潜む不穏な気配が、物語にスリリングなスパイスを加えています。


この作品は、単なる「最強主人公が無双する」物語ではありません。「戦うことしか知らなかった男が、平和を学んでいく」という、逆説的な再生の物語です。読み進めるうちに、私たちが生きる「平和な国」の景色が、少しだけ違って見えるようになるかもしれません。

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