菌と鉄(6) (週刊少年マガジンコミックス)
内容紹介
「自由」は救いか、それとも凶器か
アミガサ最高幹部ナイトメアとの死闘。ダンテは仲間との連携でこれに勝利しますが、散りゆく宿敵が抱いていたのは「争いのない、欲を消し去った理想郷」への純粋な祈りでした。
アミガサによる無慈悲な「浄化」の爆撃を逃れ、エーテル一行が次に向かうのは、謎のミミズが告げた言葉——「赤い牙」。それはアミガサでもエーテルでもない、圧倒的な武力を持つ未知の集団。
高山病に苦しみ、一瞬で制圧されたダンテたちに突きつけられたのは、過酷な実力主義による「服従」の要求。一方、エーテルの拠点をアミガサの魔の手が着々と追い詰め、記憶を取り戻したグラントにも再び「責任」という名の重圧がのしかかる。主義と主張が交錯する混沌とした世界で、ダンテは「力の示し方」を見つけられるのか。
ダンテが語る「自由」
「色んな奴が好き勝手言える世界が面白い」と語るダンテ。ナイトメアが今の管理社会を望むことさえも「自由だったはずだ」と肯定するシーンは、現代社会の多様性への強烈な皮肉に聞こえ、同時にダンテの精神的な器の大きさを象徴する名場面です。
謎の第三勢力「赤い牙」と未知の技
ミミズの文字で導かれた「赤い牙」の登場。これまでの兵器とは一線を画す、独自の身体技法「チャカーナ」「ファニカ」。圧倒的な実力差を見せつけられたダンテが、持ち前の学習能力でその技をコピーし、状況を打開していく姿は頼もしいです。
「応援する老人たち」と「這い寄る滅び」
ベルゼブブ作戦の成功を願って旗を振る老人たちの微笑ましい姿。しかし、その背後ではアミガサの最強戦力・GUNが刻一刻とシェルターに迫る……。この静かな日常が崩壊する前夜の緊張感がたまりません。
今巻で最も印象的だったのは、ダンテと会話した兵士の「お前と一緒に戦うくらいなら、アミガサ兵として死ぬ」という言葉です。自分の信じる正義で突き進むダンテが、他人から見れば「正しさを武器にした怪物」に見えてしまうという残酷な真実。 「アミガサを倒した後にどんな世界を作るのか」という問いに対し、ダンテはどのように答えるのでしょうか。