チェンソーマン 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

チェンソーマン 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)のカバー画像 発売日: 2019年5月2日 著者: 藤本タツキ 出版社: 集英社

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内容紹介

世界平和より重い「胸」の価値

コウモリの悪魔をぶっ倒し、ついにもぎ取った「胸を揉む権利」。しかし、待望の瞬間を経てデンジが感じたのは「……こんなもんか?」という虚無感でした。夢を叶えた途端に訪れる空虚さ。そんなデンジを、ミステリアスな上司・マキマはさらなる「餌」と「恐怖」で手なずけます。

語られるのは、人類史上最悪の敵、「銃の悪魔」。 数分で数百万人を殺戮する規格外の絶望。その肉片を回収し、本体を倒そうとする公安デビルハンターたち。復讐に燃える早川アキや、奔放な姫野、そしてデンジとバディを組むことになった魔人・パワー。

「偉い夢」を持つ者たちを鼻で笑い、己の欲望だけに忠実なデンジの戦いは、やがて世界の運命を巻き込む混沌へと加速していく。

藤本タツキ流「映画的」な演出

本作は、登場人物に安易に「辛い」「悲しい」と語らせません。何も書かれていない無言のコマ、視線の動き、タバコの煙の燻り。その「行間」に宿る感情を読み解く楽しさは、他の漫画では味わえない中毒性があります。

アキとデンジ、パワーの「擬似家族」生活

クールで面倒見の良いアキの部屋に、常識外れのデンジとパワーが転がり込む。ジャムを塗った食パンを頬張るポチタの回想や、肩に顎を置くパワー。文明から外れた二人の「剥き出しの愛着」が、アキの静かな生活を賑やかに(そして胃痛の種に)変えていく様が愛おしいです。

「銃の悪魔」という絶対的絶望

設定の強固さが際立つ2巻。肉片を食うと悪魔が強化されるという呪術的なギミックや、アキの壮絶すぎる過去。倒せる気がしないほどの巨悪の存在が、物語に重厚な緊張感を与えています。

マキマの魔力

デンジを「飼い犬」として完璧にコントロールするマキマ。彼女の優しさが純粋な愛なのか、あるいは捕食者の罠なのか。読者もデンジと共に、彼女の底知れない色気に狂わされていきます。

高尚な理想を嘲笑う、泥臭い人間賛歌

世界を救うといった大義名分ではなく、「胸を揉みたい」という一心で最強の悪魔に立ち向かうデンジの姿。一見すると不純ですが、それは「命の重さに優劣はない」という本質的な人間賛歌にさえ見えてきます。大人が眉をひそめるような動機を、文字通り血みどろの「夢バトル」で正当化してしまうパワーに圧倒されました。 アキのタバコにまつわる「おしゃれで独特な描写」には、言葉にならない切なさが漂います。湿っぽい感情をあえてドライに突き放す作風が、かえって読む者の心に深く刺さる一冊でした。

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