アルスラーン戦記(16) (週刊少年マガジンコミックス)
内容紹介
軍資金も兵もゼロ? ならば・・・
ペシャワール城を追われ、たった数人の仲間と共に南部の港町ギランへと辿り着いたアルスラーン一行。そこで待っていたのは、ナルサスの旧友であり、怜悧な知略を持つ貴族シャガードでした。
活気と欲にまみれたギランでは、無能な総督と、海を荒らす海賊たちがのさばる無法地帯。軍資金も兵力も持たないアルスラーンに対し、ナルサスが仕掛けたのは「海賊を泳がせ、一網打尽にする」という、時代劇さながらの鮮やかな罠。「5万人の兵」という理不尽なノルマを達成するため、少年王太子と英雄たちが、南国の海を舞台に大暴れします。
ナルサス、本領発揮
敵を罠にはめる際に見せる、あの邪悪で楽しそうな笑み。海賊をあえて逃がし、復讐に来たところを完璧な布陣で迎え撃つ策謀のテンポは、まさに「知略の暴力」。荒川先生の描くナルサスの表情が、策士としての恐ろしさと魅力を倍増させています。
アルスラーンが与えた罰
かつての気弱な少年はどこへやら。不遜な態度をとるシャガードに対し、自ら剣を突きつけ降伏を迫るシーンは必見です。 優しさだけではなく、「罰するべき者には罰を与える」という判断を身につけたアルスラーンの成長に、ダリューンならずとも胸が熱くなります。シャガードに与えた罰も、アルスラーンならではのものでした。
安定のダリューン無双
海の上だろうが船の上だろうが、関係なし! どんな環境でも「人の形をした災厄」として海賊たちをなぎ倒すダリューンの武勇は、今回も安心のクオリティです。もちろんファランギースをはじめとする仲間たちも圧倒的な強さ。この仲間だけで5万人分くらい働けそうな気がします。
第16巻は、とにかく読んでいてスカッとしました。 父親に無実の罪で追い出されたようなものですから、読者としてもフラストレーションが溜まっていたところ。それを、海賊や悪徳役人を相手に知略と武力でボコボコにして、ついでに軍資金と拠点まで手に入れてしまう展開は、最高のストレス解消になりますね。
特にナルサスの策が「予測通り」に決まっていく爽快感は格別。シャガードというキャラを出すことで、改めてナルサスの異常なまでの賢さと、アルスラーンの「人を惹きつける力」が強調されているのも上手いなと感じました。
「5万人の兵」という無理難題を、どうやって「チャンス」に変えていくのか。 まだ見当もつきませんが、それはともかくとして、アルスラーンが「主君」として一段階上のステージに登ったことを確信させるお話だったと思います。