海人ゴンズイ

海人ゴンズイのカバー画像 発売日: 2014年11月14日 著者: ジョージ秋山 出版社: eBookJapan Plus

Amazonで見る

内容紹介

鬼才・ジョージ秋山先生が、その圧倒的な筆致で「生と死」、そして「人間の業」を描き出した衝撃作『海人ゴンズイ』。

奴隷船の沈没という絶望から始まるこの物語は、単なる海洋アクションの枠を超え、読む者の魂を激しく揺さぶります。

絶望の海から現れた、黒い生命の咆哮

嵐の海で沈没した奴隷船。荒れ狂う波間に、一つの大きな樽が漂っていた。その中にいたのは、たった一人生き残った黒人の少年。彼が流れ着いたのは、凶悪な罪人たちが送り込まれる地獄の孤島「流人島」だった。

徹底して描かれる「差別と暴力」

島という閉鎖空間で、異質な存在を排除しようとする人間たちの醜さが、容赦なく描かれます。リュウの独裁的な恐怖政治は、当時の社会風刺のようでもあり、現代にも通じる人間の本質的な闇を突きつけてきます。

「汚物」と「神々しさ」が同居する肉体描写

ジョージ秋山先生の描くキャラクターは、決して美男美女ではありません。 流人島に住む者たちの顔は歪み、皮膚には脂が浮き、その表情からは常にドロドロとした欲望や悪意が滲み出ています。しかし、その「醜さ」を徹底的に描き切ることで、逆に生身の人間が持つ生々しいリアリティが浮き彫りになります。 一方で、ゴンズイの躍動する黒い肉体や、アズサの狂気を孕んだ瞳には、時として宗教画のような神々しさすら宿ります。この「汚さ」と「聖性」の同逆転こそが、先生の絵の真骨頂です。

昔の漫画ならではの設定

本作には『人食いボラ』や『殺人カマス』といった、今では考えられないような荒唐無稽な設定が登場します。 しかし、それを『ありえない』と笑うことはできません。ジョージ秋山先生の荒々しい筆致で描かれると、その魚たちは単なるクリーチャーではなく、逃れられない死の恐怖そのものとして襲いかかってくるからです。昔の漫画特有の『過剰な演出』が、本作の持つ原始的な生命力をさらに加速させていると言えるのではないでしょうか。

Amazonで見る

タグ