火の鳥 1

火の鳥 1のカバー画像 発売日: 2014年4月25日 著者: 手塚治虫 出版社: 手塚プロダクション

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内容紹介

舞台は3世紀、女王ヒミコが支配する倭の国。 人は老いに怯え、権力は永遠を欲する。その中心にあるのは、火の山に棲み、その血を飲めば不老不死になれるという伝説の霊鳥――火の鳥。 一族を滅ぼされた少年ナギ。彼の運命は火の鳥を巡る争乱に巻き込まれ、残酷なまでの「生」の執着へと叩き落とされる。


「永遠」という名の呪い

不老不死は救いなのか、それとも地獄なのか。手塚治虫が突きつける哲学的な問いが、エネルギッシュな絵でダイレクトに脳に響きます。

キャラクターの泥臭さ

聖人君子など一人もいない。誰もが欲望し、足掻き、無様に死んでいく。その「人間臭さ」こそが、火の鳥の神々しさを際立たせています。


命を奪い合う、その虚しさと輝きについて

『火の鳥 黎明編』を読み終えたとき、真っ先に感じたのは「畏怖」に近い感情でした。物語の舞台は古代日本ですが、そこで描かれているのは現代にも通じる人間の業(ごう)そのものです。

「不老不死」という、全人類が一度は抱くであろう究極の願望。そのために他者を蹴落とし、村を焼き、血を流し合う。火の鳥という超越した存在から見れば、人間の営みなど羽虫の羽ばたきほどに儚いものかもしれません。しかし、手塚治虫先生はその「儚い生」を、驚くほど力強く、泥臭く描き出します。

特に、一族を失いながらも過酷な運命に立ち向かう少年ナギや、醜い容姿にコンプレックスを抱きながら火の鳥を追うサルタヒコの姿には、目を逸らしたくなるような醜悪さと、抱きしめたくなるような愛おしさが同居しています。彼らが求めた「永遠」は、果たして手に入ったのか。物語の終盤、読者は壮大なスケールの視点を突きつけられ、自分自身の寿命という限られた時間を強く意識させられることになります。

1960年代に描かれた作品でありながら、全く色褪せないどころか、情報過多な現代においてこそ「真に大切なものは何か」を問いかけてくる。まさに、死ぬまでに一度は通るべき「聖書」のような一冊です。

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