新装版 度胸星(1)
内容紹介
「圧倒的な未知」の恐怖とワクワク感
火星に到達した人類が遭遇した謎の物体「テセラック」。それは物理法則を無視し、人間の理解を拒む圧倒的な「異質」として描かれます。この「正体のわからないもの」に対する恐怖と、それを解明しようとする知的好奇心のぶつかり合いが、物語の核となっています。
熱すぎる「山田節」が炸裂する人間ドラマ
主人公・三河度胸(みかわ どきょう)をはじめ、登場人物たちがとにかくエネルギッシュです。山田芳裕先生独特の、力強く、時にユーモラスで、時に狂気をはらんだキャラクター造形が、「火星に行く」という壮大な夢に説得力を与えています。
「選考試験」という濃密な心理戦
1巻の大きな見どころは、火星飛行士を目指す候補者たちの選考プロセスです。閉鎖環境での過酷な試験を通じ、個々の「度胸」や「資質」が試される展開は、スポ根漫画のような熱量と、サスペンスフルな緊張感に満ちています。
強烈なインパクトを残すビジュアル表現
『へうげもの』でも知られる独特の筆致は、無機質な宇宙空間や、理解不能な高次元的現象を表現する際、唯一無二の迫力を放ちます。特に「テセラック」の描写は、一度見たら忘れられない視覚的ショックを読者に与えます。
「度胸があれば何でもできる」という精神論と、緻密なSF設定が奇跡的なバランスで融合している作品です。打ち切りという形で完結してしまったことが惜しまれ続けている「伝説の未完作」としても有名ですが、その第1巻の引き込みの強さは今なお色褪せません。